2010年10月10日日曜日

ゆうちょ銀の住宅ローン参入 地銀警戒

 政府は30日夜、郵政改革案の骨格に盛り込んだ郵便貯金の預入限度額の引き上げなどについて調整するため、閣僚懇談会を開いた。平野博文官房長官によると、鳩山由紀夫首相は、亀井静香金融?郵政改革担当相と原口一博総務相が24日に発表した改革案の骨格を了承。原口総務相によると、具体的な郵貯限度額は首相に決定を一任したものの、骨格で示された2000万円を軸に検討することになった。

 進み出した郵政改革に対して、民間金融機関の不安は募っている。郵貯限度額の引き上げに加えて、ゆうちょ銀による住宅ローンなど貸し出し業務への参入があるからだ。地域に強固な基盤を持つ郵便局との激しい競争になれば、地方金融機関の淘汰(とうた)が加速する恐れもある。

 「郵貯、簡保ともに業務を民間並みに自由化する」。2月に示された政府素案に盛り込まれたこの文言が、地方金融機関の不安感をかきたてた。

 先細る企業向け融資に対して、一定の需要がある住宅ローンは金融機関なら「積極的に取り扱いたい」(ゆうちょ銀行幹部)魅力的な商品だ。

 ゆうちょ銀は住宅ローン市場への本格参入に備え準備をしてきた。2008年4月にはスルガ銀行(静岡県沼津市)と提携し、個人ローン全般の販売代理業務を開始。ノウハウを吸収するために、今後も地銀などとの提携を模索していくとみられる。

 こうしたゆうちょ銀の動きに対して、地銀55行は「地銀住宅ローン共同研究会」を設立、女性向け住宅ローンを共同開発した。

 ゆうちょ銀が住宅ローンに参入すれば「政府の保証付きだと勘違いされ、断然有利になる」(地銀関係者)だけに、地銀連合がさらに提携を強化し対抗する可能性もある。

 ただ、地方金融機関はすでに淘汰の時代に入っている。肥大化するゆうちょ銀の動向が、地方金融機関の再編劇の呼び水となるかもしれない。

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引用元:エミルクロニクル(Econline) 総合サイト

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